「深く傷ついた時は、その場から離れよう。」
uyuの逃亡壁は数知れず。
まず転職は、学生の頃のバイトも含めると20回は超えている。もはや数えられない。いずれも人間関係のストレスにより長くは居られなかった。次に引っ越しの回数だ。10回に満たないまでも5回は超えている。原因は、居住環境が合わなかったことと、ママ友付き合いが上手くできなかったこと。しかも戸建てを2回買い換えているのだから、夫からしたらたまったものではないだろう。
逃げると言うと響きは悪いが、uyuにとっては、より自分に適した環境へ移動しただけである。よって、今までの転職も引っ越しも「あ〜止めておけば良かった。」などと後悔したことは一度もない。むしろ毎回、転職後や引っ越し後は気分爽快である。
だが世の中、辛いと思っていてもその場から離れられない人たちがいる。
前章で述べた思考の癖の影響ではあるが、きっと「なんとかしたい。」「なんとかなるはずだ。」「なんとかしないといけない。」という気持ちがあるのだろう。
・なぜ逃げられないのか?
uyuは幼少期から、持って生まれた人見知りな性格と、双極性障害の母親に育てられた影響が相まってコミュ障をこじらせていた。仲間はずれにされたこともある。逆に仲間はずれに同調したこともある。とにかく学生時代は狭いコミュニティーが自分の全てで、その世界で生き残るために必死だった。必死すぎて更に視野狭窄を増強する。負のスパイラルである。
ではなぜ逃げることができないのか?
一つ目は、逃げるという道を知らないこと。「学校を辞めてもいい。」なんていう選択肢を大人は教えてくれない。純粋な子供たちは、当然のように入学から卒業まで通わなければいけないと思っている。頭の中に、逃げ道なんて最初からないのだ。社会人も然りである。永年勤続だか石の上にも3年だかの呪縛から逃げられずにいる。
二つ目の理由は、学校や仕事を辞めた後の自分の道が見えないことに対する不安だ。学生であれば、高校を卒業して進学か就職をするものと教育される。社会人であれば必死で就活してやっと入職した会社である。やっと安心を手に入れたのに途中で辞めてしまったら、その後どうやって生きていったら良いのかわからない。となると、選択肢は「我慢する。」を選べば不安はなくなる。それが仮に精神を蝕もうとも、安心を手に入れるために「辞める。」ことはできない。勇気を振り絞って先生や両親、上司などに「辞めたい。」と言えたとしても、大抵の大人は、「どうしたら辞めずに済むか。」を考えるだろう。それで解決すればいい。しかし口にした時点で、その程度では解決できない所まで来ているはずである。仮に引き止められ留まったとしても、また再燃する確率は高い。
余談だが、「辞めたい。」と告白された大人もまた、別ルートを知らないから不安なのだ。自分が他の道を知らない、または知ろうとしないため訴えを聞いたとしても「逃げ道」を示唆できずにいる。
理由を二つ挙げたが、どちらも「知らない。」ということが一番の問題なのである。ということはまず、知ることから始めようではないか。
・別ルートがあることを知る。
現代社会においてスマートフォンやPC(パソコン)を手にしない日はない。先日 uyuが勤務しているクリニックへ4歳の子供を連れて受診した患者がいた。その患者は10分程度の検査を受けることになり、急遽一緒に来ていた4歳児の子守をuyuがすることとなった。患者は「良い子で待っててね。」と手慣れた様子で子供にスマホを渡し、受け取った子供もまた手慣れた様子でスマホを操作する。今や4歳からスマホを使える時代なのかと驚きを隠せなかった。
何が言いたいのかというと、情報は自分が望めばいつでも何歳でもすぐ手に入ると言うことである。
そこでポイントは、検索ワードである。きっと真面目な人は辛い現状をどうにかしたいために、「自分を変えるには」とか「前向きになる方法」などで検索していないだろうか?それでは自分で自分を追い込むだけだ。ここではあくまでも「逃げ道」を知ることが最優先となるため、この場合の検索ワードは「転職(転校)の仕方」や「卒業する方法」「卒業資格」「在宅ワーク」「資格取得」「働き方(学び方)を選ぶ」等を入力すれば幾多の別ルートを教えてもらえる。
さて別ルートは見えた。きっとこの時点で視野狭窄がだいぶ治り気持ちも軽くなったのではないか。それでそこに留まるも良し、別ルートを選ぶも良しだ。どちらを選ぶにしてもここから先は行動あるのみ。それでも行動できない人は、動くことができない原因を書き出してもらいたい。行動できない場合の多くは、自分の頭の中のストッパーが原因であることが多い。動かない言い訳と言ってもいい。さも正当に見える理由を自分でつけ、自ら動かない方を選択している。
・まず行動。行動できない人は、その理由を書き出す。
行動できない理由を書き出せただろうか?
経済的に無理
辞めたら職場に迷惑がかかる
親に心配をかける
など。様々な理由があるだろう。断っておくが、既に心療内科領域の人は専門家の指示に従ってもらいたい。その他の人は、書き出した理由を一つずつ検討しよう。「本当に無理なのか?」と。
経済的に無理なのであれば、アルバイトでも何でもしてお金を稼げばいい。
職場に迷惑をかけるのであれば、引き継ぎをきちんとすればいい。代替えなどいくらでもいる。
親に心配をかけると思っているのであれば、今辛い現状が一番親は心配であることを理解すべきだろう。
今いる状況以上に大きな問題などないことを肝に命じてまず行動してみよう。行動して壁にぶつかったら、その時にまた次の策を考えればいい。
あなたの人生一度きりである。
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